ひざ関節痛ー各論1ー『O脚』

*O脚で半月板がすり減っている膝*

O脚でヒョコヒョコ歩く高齢の方をよく見かけます。

初期段階の時は膝に痛みが有り、

いろいろと治療をなさったことでしょう・・・

しかし、そのO脚は治らず、

対症療法を続けていると『痛み』も感じなくなります。

それはどういうことか?というと、

最初、脳は膝のズレ,狂いの問題を察知して

免疫細胞等々に修復させるよう働き掛け治そうとします。

⇒それが炎症反応で「疼痛-発赤-腫脹-熱感」の症状を出し

「治している最中ですよ」と表現(警告信号)し

問題を改善します。

しかし、膝のズレや歪みが上手く改善されなければ、

完全修復を諦め、それ以上悪くならないように

’その状態’を固めてしまいます。  

⇒この様な段階が『慢性変形性ひざ関節症』なのです。

 この状態で何年も痛みが出ない場合、

それは固まりきって安定しているとお考えください。

そうなれば、

そのO脚を治療することをしない方が良いと思います。 

もし、長年痛まなかったO脚の膝が

最近また痛み出したとしたら、

これは安定していた膝の歪みが悪い状態に

進行し不安定になった証拠です。 

この場合は再度治療するタイミングです。

今までのような対症療法では無く、

なぜO脚になっているのか!?

それをどういう方法で改善するとよいのか!?

ということを考えた根治療法を受け、

少しでもO脚のズレ-歪みを改善するよう

努力する必要があります。

 痛いから悪いのではありません!

全身的な姿勢のくるいが起こり

関節にズレ,歪みが大きくなったから

脳が痛みを出して

『治さなあかんでー!』と訴えているのです。

 それでは、WAJUが考えるO脚になる絡繰り=メカニズムを解説します。

O脚のメカニズム

総論で、

膝の問題を施術するには、少なくても

股関節-膝関節-足関節の3つの関節の

相関関係を観察しなければならない

と申しました。

O脚の場合

【原因1】〔股関節と膝関節の相関関係〕

股関節が外旋し’太もも’が外捻れを起します。

【原因2】〔足関節と膝関節の相関関係〕

足関節の支持力が落ち足首の横振れをおこします。

【結果】

股関節と足関節の中間に位置する膝関節が捻れ横ズレを起します。

【原因1】《股関節と膝関節の相関関係》

股関節が外旋し’太もも’が外捻れを起す

O脚は太もも自体が外捻れを起すことから始まります。

こんなイメージです

次に

骨・関節模型でイメージを深めてみましょう

正常(理想形)の場合、

大腿骨から膝関節そして足関節と=縦軸が通り=ます

股関節が外旋を起す大腿軸は外旋外転を起します

それは⇒筋肉のアンバランが原因です

では、その原因である”太ももを外捻れ”させてしまう

トラブルメーカー筋を観てみましょう

股関節外旋ートラブルメーカー筋1『腸骨筋』

腸骨筋

大腰筋と2つで構成されている腸腰筋の外側の方で、

太ももを前に振り出す(股関節屈曲)の

主力筋として働く強力な筋肉です。

大腰筋は股関節から背骨に跨がる二関節筋ですが、

腸骨筋は股関節のみに作用する単関節筋であり、

骨盤を支持する働きをも課せらています

股関節外旋ートラブルメーカー筋2『大臀筋』

大臀筋

お尻を形成する人体の中で最大の筋肉で

腸骨筋と拮抗筋の関係

太ももを後ろに振る(股関節伸展)の主力筋であり、

骨盤を後から支持する働きをも課せられています。

:*:腸骨筋と相反-相関関係にある大臀筋は過緊張状態を起すと大腿外捻れの最大トラブルメーカー筋になってしまいます。しかしこの大臀筋は階段の昇降や坂の上がり下りを怠るとすぐに痩せてしまいますよ・・・

股関節外旋ートラブルメーカー筋3『梨状筋』

大臀筋の深部にある股関節ー最深層筋ー、

洋梨の形に見えるのが筋名の由来だそうです

梨状筋は

股関節を外旋運動させる骨盤深層筋群

梨状筋症候群』という”筋原性ー坐骨神経痛”の病名

にもなっています。

腸骨筋と相反-相互関係にあり共に深層部に位置する

問題を起すと施術し難い筋肉です。

股関節外旋ートラブルメーカー筋4『内転筋群』

内転筋群

太ももの内側に’ベッタリ’付いている

股関節を内転ー内旋させ、

上記’三つの筋肉’とは真逆の働きがある筋肉群です。

内転筋群はその内側をベッタリ覆う大きな筋肉群ですが、

歩くことを怠るとすぐに

筋肉が“萎(な)える”性質があります。

この筋肉群のキーワードは「筋力低下」です

:*:内転筋群の弱りで内股の“引っ張り支え”の箍(タガ)はずれO脚が強調されてしまいます。ヒョコヒョコ歩くご高齢の方が瞼に浮かんでしまいます・・・

ここまでのまとめ

1~3の股関節トラブルメーカー筋が

過緊張、筋萎縮(痩せ)の問題、

不具合を起すことで

股関節を外旋状態でロックさせてしまいます。

そこに’4.内転筋群’の筋力低下が加わると

股関節外転(下肢の形状でいうとO脚状態)が

強調されてしまいます。

必然的に下腿骨は内旋ー内転が強要されて

膝関節部に

大きなストレスが掛かるという絡繰りです。

『股関節が原因!⇒痛みは膝にでる!!』

となるのです。

【原因2】《足関節と膝関節の相関関係》

足関節の支持力が低下し膝の横ブレを起す

 人間は二足歩行の動物です。

しかしキョンシーのように二本足を揃えて

ピョンピョン跳ね歩くわけではありません。

我々は

片脚で支え、遊脚を挙げ、前に送り、

足を置きます。

支え-挙げ-置き、支え-挙げ-置き、を

繰り返して進む歩行の仕方をとります。

二足歩行の命は片脚支えにある!

といっても過言ではありません。

ということは足関節の支持力は

全身を支持する礎、基礎となります。

このような観点で考えると

足首だけではなく足のユビも等閑にできない!

となりますが…

ここでは触れないで起きます。

:*:外反母趾はこの状態の延長線上にあります。

では、

足関節を支持する重要な下腿深層筋を観察してみましょう。

前・後『脛骨筋』

前,後ー脛骨筋

足関節を伸展(足首を伸ばす)させ、

つま先を持ち上げる最も強い主力筋です。

単関節筋ですので支持力もシッカリしています。

⇒足から全身を支える役目の筋肉です。

前・後脛骨筋は

”土踏まず”(足裏アーチ)の形成をも行います

この筋に不具合が起こると土踏まずがヘタリ、

そのショックアブソーバー力が低下します。

長・短『腓骨筋』

長・短ー腓骨筋

ふくらはぎの外側を走行する筋肉で

起伏のアルある地面を歩行する際、

足裏が地面と上手く向き合うよう調整する

重要な働きがあります。

足裏アーチ(外側アーチ)の維持にも貢献しています。

ここまでのまとめ

この『前,後ー脛骨筋』と『長,短ー腓骨筋』は

足関節の単関節筋ですので最大の目的は足の支えです! 

地面からの衝撃を吸収、

地面の起伏を足裏を合わせて調整します。

このように全身の軸がブレないように

下腿から陰ながら縁の下の力持ちのごとく

静かに頑張っています。

おそらく皆様は

こんな筋肉があることすらご存じないと思います。

しかし、とても重要な筋肉群で、

これらの支持力が低下すれば

全身の支えが効かなくなる

といっても過言ではありません! 

そして、一番隣接している

膝関節がまともに影響をうけてしまいます。

とくに膝横ブレの力学的負荷が

掛かりやすくなってしまうわけです。

総まとめ

 アスリートのスポーツ損傷にしても、

老化性の衰えによる関節問題にしても、

多くの方々を苦しめているのは

膝痛ではないでしょうか。

大相撲の力士が休場を余儀なくされて

番付を大きく下げるのも膝の損傷が多いようです。

老化で足腰が弱り

挙げ句の果てに寝たっきりになる

その初期原因が膝の問題から

と言っても過言ではありません。

何故こんなに膝の不具合が起こりやすいのでしょう? 

それは関節の構造の問題にあります。

股関節と膝関節と足関節は

三者-相関して動く関節ですが、

多様に動く球関節股関節と、

蝶番関節といって遊びが有り

可動域が広い足関節に挟まれた

膝関節平関節

曲がるか伸びるかの一軸性の動きが主です

そこがO脚に成ってしまうと・・・

負担,ストレスは

誰が考えて多大であることが

お解り頂けると思います。

膝関節を”治す”という治療の観点に立った場合、

整形外科的な分野でありますので、

関節構造を改める手術=人工関節=

となるのでしょうが、

O脚の場合、はたしてそれで良いのでしょうか。

何故なら、”O脚の膝関節-問題”は

全身の構造的な歪みが原因しています。

40年の臨床経験で申しますと、

顎関節まで歪ましておられる

慢性変形性ひざ関節症の方を多く見てきました・・・

身体歪み、姿勢の歪みが慢性化すると

頭蓋や顎関節まで悪影響が及ぶのです。

我々の身体はすべて

因果関係があり相互-相反関係で

バランスを取って行動しています。

痛みを発している関節のみを正しても、

長い目で見ると

良い結果に繋がらないことが多いと思います。

それと、ここは皆さまに認識して頂きたい

重要事項なので声を大にして申します。

筋肉が痩せて衰えた関節の不具合や痛み問題は

膝関節に限らず、完治を望むのであれば、

筋肉を増やすべく自己運動が不可欠になります。 

”歩いたり””しゃがんだり”する運動-動作を

怖がって怠れば完治はしません!

和柔整体では、

変形性ひざ関節痛で来院された方の施術処置としては、

全身姿勢矯正から始めるパターンとなるでしょう。

そして

痛みが70%軽減した段階で

運動指導を始めるでしょう。

常にその患者様に即した施術方を考え、

最善の処置・施術をさせて頂きます。

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