*O脚で半月板がすり減っている膝*
O脚でヒョコヒョコ歩く高齢の方をよく見かけます
初期段階の時は膝に痛みが有り
いろいろと治療をなさったことでしょう・・・
しかし、そのO脚は治らず
対症療法を続けていると
『痛み』も感じなくなります
それはどういうことか?というと
最初、脳は膝のズレ,狂いの問題を察知して
免疫細胞等々に修復させるよう働き掛け
治そうとします
しかし
膝のズレや歪みが上手く改善されなければ
完全修復を諦め
それ以上悪くならないように
’その状態’を固めてしまいます
この段階が『慢性変形性ひざ関節症』です
この状態で何年も痛みが出ない場合
それは固まりきって安定しているとお考えください
そうなれば
そのO脚を治療することをしない方が良いと思います
もし、長年痛まなかったO脚の膝が
最近また痛み出したとしたら
これは安定していた膝の歪みが
悪い状態に進行し不安定になった証拠です
この場合は再度治療するタイミングです
今までのような対症療法では無く
なぜO脚になっているのか!?
それをどういう方法で改善するとよいのか!?
ということを考えた根治療法を受け
少しでもO脚のズレ-歪みを改善するよう
努力する必要があります
痛いから悪いのではありません!
全身的な姿勢のくるいが起こり
関節にズレ,歪みが大きくなったから
脳が痛みを出して
『治さなあかんでー!』と訴えているのです
それでは、WAJUが考えるO脚になるメカニズムを解説します
『O脚』歪みのメカニズム
総論で
膝の問題を施術するには
少なくても1股関節-2膝関節-3足関節の3つの相関関係を
観察しなければならないと申しました
簡単に言えば
膝は
“太もものブロック”と”ふくらはぎのブロック”の境目にあり
2つのブロックが伸び縮みして
膝関節を動かしています
膝という部分だけを見るのではなく
もう少し俯瞰した観点,視点で下肢及び足腰を観てみましょう
2つの視点『太ももの問題』と『ふくらはぎの問題』です
【視点1】太もも「股関節と膝関節の相関関係」
股関節が外旋し’太もも’が外捻れを起す不具合
O脚は
太もも自体が外捻れを起すこと
から始まります
こんなイメージです
骨・関節模型でイメージを深めてみましょう
正常(理想形)の場合
大腿骨から膝関節
そして足関節と
=縦軸が一直線に通り=ます
O脚の場合
股関節が外旋を起すと
大腿軸は外旋と外転を起します
この原因は筋肉のアンバランです
”太ももを外捻れ”させてしまう
トラブルメーカー筋を観てみましょう
『1腸骨筋』股関節外旋ートラブルメーカー筋
腸骨筋は
大腰筋とペアで構成されている
外側の筋肉です
(2つ合わさって腸腰筋といいます)
太ももを前に振り出す(股関節屈曲)
主力筋として働く強力な筋肉です
腸骨筋は
股関節のみに作用する単関節筋であり
骨盤を支持する働きをも課せらています
因みに大腰筋は
股関節から背骨に跨がる二関節筋です
『2大臀筋』股関節外旋ートラブルメーカー筋
大臀筋は
お尻を形成する人体の中で最大の筋肉で
(腸骨筋と拮抗筋の関係)
太ももを後ろに振る(股関節伸展)
主力筋であり
骨盤を後から支持する働きをも課せられています
大臀筋は
腸骨筋と相反-相関関係にあり
過緊張状態を起すと
大腿外捻れの最大トラブルメーカー筋
になります
この大臀筋は
階段の昇降や坂の上がり下りを怠るとすぐに痩せてしまいますよ・・・
『3梨状筋』股関節外旋ートラブルメーカー筋
梨状筋は
大臀筋の深部にある股関節ー最深層筋ーです
洋梨の形に見えるのが筋名の由来です
梨状筋は
股関節を外旋運動させる骨盤深層筋群で
『梨状筋症候群』という”筋原性ー坐骨神経痛”
の病名にもなっています
腸骨筋と相反-相互関係にあり
共に深層部に位置する為
問題を起すと施術し難い筋肉です
『4内転筋群』股関節外旋ートラブルメーカー筋
内転筋群は
太ももの内側に’ベッタリ’付いている
股関節を内転ー内旋させ
上記’三つの筋肉’とは真逆の働き
がある筋肉群です
内転筋群は
その内側をベッタリ覆う大きな筋肉群ですが
歩くことを怠ると
すぐに筋肉が“萎(な)える”性質があります
この筋肉群のキーワードは
「筋力低下」です!
:*:内転筋群の弱りで
内股の“引っ張り支え”の箍(タガ)はずれ
O脚が強調されてしまいます
ヒョコヒョコ歩くご高齢の方が
瞼に浮かんでしまいます・・・
ここまでのまとめ
『1』~『3』の股関節トラブルメーカー筋が
過緊張、筋萎縮(痩せ)の問題,不具合を起すと
股関節を外旋状態でロックさせてしまいます
そこに『4.内転筋群』の筋力低下が加わると
股関節外転(下肢の形状でいうとO脚状態)
が強調されてしまいます
必然的に
下腿骨は内旋ー内転が強要されて
膝関節部に大きなストレスが掛かるという絡繰りです
『股関節の外捻れが原因で⇒膝に痛みがでる!』
となるのです
上図、脛骨の下が内側に入るとO脚に成るのが観察できると思います
では次ふくらはぎの問題を観てみましょう
【視点2】ふくらはぎ『足関節と膝関節の相関関係』
足関節の支持力低下が膝関節”横ブレ”を作る
人間は二足歩行の動物です
しかし’キョンシー’のように二本足を揃えて
ピョンピョン跳ね歩くわけではありません
我々は
片脚で支え⇒遊脚を挙げ⇒前に送り⇒足を置きます
支え-挙げ-置き
支え-挙げ-置き
を繰り返して進む歩行の仕方をとります
二足歩行の命は片脚支えにある!
といっても過言ではありません
ということは足関節の支持力は
全身を支持する礎、基礎となります
このような観点で考えると
足首だけではなく足のユビも等閑にできない!となりますが…
ここでは触れないで起きます
:*:外反母趾はこの状態の延長線上にあります
では、
足関節を支持する重要な下腿深層筋を観察してみましょう
『1前・後脛骨筋』足関節横ブレトラブルメーカー筋1
前と後の脛骨筋は
足関節を伸展(足首を伸ばす)
させ
つま先を持ち上げる
最も強い主力筋です
単関節筋ですので
支持力もシッカリしています
⇒足から全身を支える役目の筋肉です
前・後脛骨筋は
”土踏まず”(足裏アーチ)の形成
をも行います
この筋に不具合が起こると
土踏まずがヘタリ
そのショックアブソーバー力
が低下します
『2長・短腓骨筋』足関節横ブレトラブルメーカー筋2
長・短ー腓骨筋は
ふくらはぎの外側を走行する筋肉で
起伏のアルある地面(デコボコ道)
を歩行する際
足裏を地面と平衡に接地調整する
重要な働きがあります
足裏アーチ(外側アーチ)の維持
にも貢献しています
腓骨筋の緊張⇒踵(かかと)の外反
上図
腓骨筋が緊張し縮んでしまうと
踵(かかと)は外側に引っ張れてしまいます
ここまでのまとめ
この『前,後ー脛骨筋』と『長,短ー腓骨筋』は
足関節の単関節筋ですので
最大の目的は足の支えです!
地面からの衝撃を吸収したり
地面の起伏に足裏を平衡に合わせて調整します
このように
全身(体幹)の軸がブレないように
下腿から陰ながら縁の下の力持ちのごとく
静かに支え頑張っています
おそらく皆様は
こんな筋肉があることすらご存じないのでは・・・
しかし、とても重要な筋肉達で
これらの支持力が低下すれば
全身の支えが効かなくなるといっても過言ではありません
そして「ふくらはぎ」に隣接している膝関節と足関節が
まともに影響をうけてしまいます
とくに膝関節には
横ブレという力学的負荷負担が大きく掛かり
膝痛の原因になってしまいます
総まとめ
アスリートのスポーツ損傷にしても
老化性の衰えによる関節問題にしても
多くの方々を苦しめているのは
膝痛ではないでしょうか・・・
大相撲の力士が休場を余儀なくされて
番付を大きく下げるのも膝の損傷が多いようです
老化で足腰が弱り
挙げ句の果てに寝たっきりになる
その初期原因が膝の問題からと言っても過言ではありません
何故こんなに膝の不具合が起こりやすいのでしょう?
それは
関節の構造の問題にあります
股関節と膝関節と足関節は三者-相関して動く関節ですが
多様に動く球関節の股関節と
蝶番関節といって遊びが有り可動域が広い足関節に挟まれた
膝関節は
平関節で曲がるか伸びるかの一軸性の動きが主です
そこがO脚に曲がってしまうと・・・
誰が考えても負荷負担が多大になることはお解り頂けると思います
膝関節を”治す”という治療の観点に立った場合
整形外科的な分野でありますので
関節構造を改める手術=人工関節=となるのでしょうが
はたしてそれで良いのでしょうか・・・
何故なら
”O脚の問題”は全身の構造的な歪みが原因しています
40年の臨床経験で申しますと
顎関節まで歪ましておられる
慢性変形性ひざ関節症の方を多く見てきました
身体歪み、姿勢の歪みが慢性化すると
頭蓋や顎関節まで悪影響が及ぶのです
我々の身体は
すべて因果関係があり相互-相反関係でバランスを取って行動しています
痛みを発している関節のみを正しても
長い目で見ると
良い結果に繋がらないことが多いと思います
それと
ここは皆さまに認識して頂きたい重要事項なので声を大にして申しますが
筋肉が痩せて衰えた関節の不具合や痛み問題は
膝関節に限らず
完治を望むのであれば!!
筋肉を増やすべく自己運動が不可欠になります
”歩いたり”しゃがんだり”する運動-動作を
怖がって怠れば完治はしません
和柔整体では
変形性ひざ関節痛で来院された方の施術処置として
全身姿勢矯正から始めるパターンとなるでしょう
そして
痛みが70%軽減した段階で
運動指導を始めるでしょう
常にその患者様に即した施術方を考え
最善の処置・施術をさせて頂きます
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