●顎関節症はマウスピースで噛み合わせを調整しても治らない ◆第1頸椎のズレは末梢脳神経に悪影響を及ぼす!
”アゴのズレ”は噛み合せが原因・・・?
いいえ!
アゴを開ける首の開口筋と
アゴを閉じる顔の咀嚼筋の
アンバランスが原因です!
アゴのズレが
上部頸椎( C1 & C2 )のズレを誘発するの?
はい!
因果関係は無茶苦茶深いです
そして
末梢脳神経にも悪影響を及ぼします
そしてそして
以下のようなタチの悪い症状が起こります
・緊張型頭痛・偏頭痛・良性発作性頭位めまい症
・慢性的な目の違和感・斜頸
・頭部の傾きから側湾症(骨格筋の姿勢的観点から)
では、先ずは
顎関節の機能解剖から見ていきましょう!
【 顎関節の機能解剖 】
顎関節の複雑な構造と特殊な機能
顎関節は複雑な関節(筋肉)構造にあり
機能もマルチです
不具合を起せば自然治癒し難い関節といえます
特殊な機能
・アゴ開口筋(舌骨下筋)が頚部静脈の血流を調整し脳の血圧を下げる機能
・内耳圧の調整⇒リンパ流動を調整する機能
・耳下腺,顎下腺,舌下腺の唾液分泌を促す機能
以上のような思ってもみない
特殊な仕事まで課せられている関節です
では次に
アゴ関節の複雑な構造を観察してみましょう
複雑な構造
口を開ける筋群(上,下舌骨筋)は首に位置する^^ok
上図ー開口筋群(舌骨上下筋群)
「舌骨」を支点にして上舌骨筋と下舌骨筋が働きアゴを開口させます
口を閉める筋肉は側顔面に位置する^^ok
上図ー咀嚼筋群
頭の側面3分の2が側頭筋という咀嚼筋です
最大開口は「脱臼する」のが正常!
アゴ関節ー最深部の構造を観察してください
上図の関節面の→をご覧ください
前方の筋(外側翼突筋)が
下顎骨-骨頭-を引き
後方の靱帯がそれを支持しながら
中央の関節円板をすべるように移動し開口します
下写真⇒脱臼しているように見えます
上の写真をご覧ください
下顎骨-骨頭-が
関節窩から完全に’はずれ’脱臼している
ように見えますが
これが正常な最大開口時の動きです!
下アゴー骨頭が関節窩を逸脱しないのが異常!
もし
左右両方の関節面で
骨頭の移動制限が起これば
開口不全の状態に陥りますし
片側だけであれば
その側に-下アゴがずれた-ように見えます
⇒このような状態が”アゴがズレた”異常状態です
この現象をつくるのは筋バランスの崩れです
関節の骨・靱帯・関節円板が原因ではありません
この改善策は
歯を削ったり,足したりすること、ではないと考えます
咀嚼筋と上,下舌骨筋の左右の引っ張りバランスを
手技調整することが
顎関節症を改善に導く方法と考えます
和柔整体「ぷるタッチ反射術」には
顎関節を正す手技法があります
ー * ー
では、
顎関節周辺組織の複雑性と
「ぷるタッチ反射術」の必要性を述べていきます
ぷるタッチ反射術–耳ライン施術設計図
下あごに手を回し
『口を半分開けて下さい』
と開閉を促す行為
軽く『頭に引きタッチ』
その何気ない行為
そこに緻密なイメージと綿密な計算が!
肩こり、手の痺れは回復したが
後頭部が重い、眼に違和感がある、
歯茎が浮く、ふらつく、など
の不定な‘頭部の症状’が残る…
この訴えを聞いて、
施術するターゲットを顎関節に絞る
必要性を示唆します
その本当の狙い,ターゲットは?
⇒顎関節から後頭-環椎(C1)を正し
“末梢脳神経”を促通させること!
ここが大きなポイントです
しかし
頭蓋底周辺は関節の構造に於いても
神経支配に於いても
すごく複雑です
そして
アジャスト(矯正)するのに難しい箇所です
観ていきましょう
末梢脳神経支配をうける頭蓋底周辺の複雑性
顎関節と頭蓋底関節⇒後頭ー環椎(C1)関節
頭蓋骨は2つの関節を持ちます
一つは
頭と首の付け根にある『後頭‐環椎(第1頸椎)関節』
もう一つは
『あご関節』です
2つとも重要な機能を担わされている為
不具合が起こると影響も甚大で
末梢脳神経にもストレスをあたえてしまいます
この2つの関節は「2大急所」といえます
さて
ここで「末梢脳神経」という聞き慣れないワードが出てきました
12対の末梢脳神経って?
脳の底面から頭蓋底を抜け出てくる
12対の電気コード=神経線維を
『末梢脳神経』といいます
第1脳神経=鼻⇒嗅覚・第2脳神経=眼⇒視覚
第3,第4脳神経⇒眼球の運動
第5脳神経⇒顔の感覚・第6脳神経⇒眼球の運動
第7脳神経⇒顔面筋の運動・第8脳神経⇒聴覚
第9脳神経⇒味覚・第10脳神経⇒内臓感覚
第11脳神経⇒首,のどの運動
第12脳神経⇒舌,のどの運動
末梢脳神経群は全て重要な神経群ですが、
特に第10脳神経=迷走神経は
内臓全体を支配し
その内臓の情報を脳に伝える役目も担った
生命維持にとって無くてはならない
自律神経の副交感神経です
詳しくは
この末梢脳神経に深く絡むのが
「顎関節」と「後頭ー環椎( C1 )関節」です
次は
後頭ー環椎の機能解剖を観ていきましょう
先ずは、筋肉群を観察してみましょう
後頭下筋と椎前筋がトラブルメーカー筋だ!
後頭-環椎(C1)と 軸椎(C2)関節の
トラブルメーカー筋は
後頭下筋群と椎前筋群です
上図を観て解ると思いますが
アジャスト(調整)するには
難解な部位に位置しています
p.s.斜角筋⇒後頭-環椎関節には直接関係していませんが
頭頸部を支える重要な支持筋です
この斜角筋は呼吸筋でもあり
腕神経叢の通り路でもあります
頭蓋底からC1/C2を観てみよう
上図は頭蓋を底から見た図です
黄色に塗られた骨が環椎(C1=第1頸椎)です
ピンク色が軸椎(C2=第2頸椎)です
緑色の筋(すじ)は後頭下筋の一部を示しています
⇒後頭下筋の左右’引っ張りアンバランス’が
C1-C2の回旋的歪みを引き起こします
今度は
頭蓋底に孔が開いています
アゴ関節の位置も確認してください
顎関節”下顎骨頭”の位置と血管,神経の孔
上図の示している部位を観てください
{→の部位}は
顎関節窩です
⇒この部位に下アゴの骨頭が填まります
{1.の孔}から
頸静脈と第10末梢脳神経(迷走神経)が
脳底から抜け出てきます
{2.の孔}から
頸動脈が抜け出てきます
因みに
大きな穴は脊髄が通る孔です
この図で観察して頂きたいことは
重要な神経や血管の孔が
顎関節と隣接している所です
もし、この隣接位置で
⇒顎関節に歪み,ズレが起これば…
前述図の頚部深部筋(後頭下筋群・椎前筋群)に
アンバランス状態が発生し
上部頸椎(C1-C2)に歪み,ズレが起こります
それは
頭蓋底から抜け出る
末梢脳神経や頚部の動,静脈にも
影響を及ぼすことは必然です
顎関節と三叉神経・顔面神経(末梢脳神経)と後頭神経
この図は
頭蓋部から頚部に分布する
重要な神経を示しています
後頭神経は末梢脊髄神経になりますが
三叉神経と顔面神経は
脳から直接、頭蓋底の溝や孔、眼窩の孔を
抜け出ている『末梢脳神経』です
p.s.⇒中枢神経は脳・脊髄です
⇒背骨の孔(椎間孔)を抜け出てくる神経は末梢脊髄神経です
ここで表現している末梢脳神経は頭蓋底から出てくる神経の束を言います
ここまで長々と難しい機能解剖のお勉強をしてきましたが
この部位の複雑性、重要性、難治性
そして、施術することの難度性を
何となくでもイメージしていただけたのではないでしょうか
ではもう一度
『ぷるタッチ反射術』の手技法とそのターゲットと目的を見て頂きます
あご筋を“ぷるタッチ”して上部頸椎と後頭環椎関節を正す
WAJUは
上部頚椎・後頭環椎関節を施術する際
‘ポキッと鳴らす頚部捻転法’は使いません
では、如何するのか?
口を大きく開けさせたり
小さく開けたり、又、噛みしめさせたりします
何故なら
頸椎の安全性を考慮し
動きを演出させ易い
“顎関節の開閉運動”を
利用するのです
この手技法は
頭蓋底周辺組織の血液代謝促進
にもつながる為
末梢脳神経の神経促通に
有効であると考えています
決して神経や血管を傷つけることはありません!
施術目的は
⇒末梢脳神経&血液循環&リンパ循環の促通だ!
その理由を簡単に説明しますと
顎関節の開閉(咀嚼筋と上下舌骨筋の作用)動作と
後頭環椎関節の前屈-後屈(後頭下筋群・椎前筋群の作用)の動作は
“運動神経リンク”しています
たとえば
口を開けると必ず
後頭部も開口した度合い分
連動して後屈します
逆に、
噛みしめると
アゴを少し引く様な方向で
前屈し,ロックするように成っています
このように
後頭ー環椎関節と顎関節は
可動運動リンクしています
これは
2つの関節を動かす筋肉群が
ほぼ同一の運動神経支配を受けていて
関節動作を円滑に行なうように
お互い動きにおける相互性を深めているのです
アジャスト(調整)は
その原理を利用すれば良いのです
口を無理なく開閉させる優しい施術動作で
事足りるのです
頸椎をポキッと鳴らす必要はありません!
何度も言いますが
顎関節の緩やかな開閉アプローチだけで
安全&安心に
末梢脳神経も血液循環もリンパ循環も
促通できるのです!