手腕の痺れ,五十肩,肩甲骨の痛みは『深部呼吸筋』が根本原因だった!
首が廻らないのは頸椎がズレたから・・・?
手が痺れるのはヘルニアのせい・・・?
肩が挙がらないのは”肩-腱板”が固まったから・・・?
答えは
⇒その場合もあります⇒しかし
⇒それだけではありません
多くの首・肩・腕-問題-は
①首つけ根の胸郭深部筋
②腕つけ根の胸郭深部筋
が凝り固まったことが要因!
そこは横隔膜を中心とした
体幹全体のインナーマッスル
『呼吸筋群』が
トラブルメークしています!!
『首・肩・腕の問題』-施術の基本概念-
首-肩-腕には頚神経叢と腕神経叢の
二つの目的を違えた神経が混在して
仕事をしています。
その神経支配によって
施術するアプローチを変える
必要性があります。
頸椎は七つの椎骨で組み立てられています
⇒上の三つ”上部頸椎”(Cー1、Cー2、Cー3)は
孔から頸神経叢が出て
不具合を起せば首痛だけでなく
頭痛などの頭蓋や顔面の症状をも発します
WAJUは
この上三つの上部頸椎を施術するにあたり
頚神経叢の支配領域が
顎関節筋の咀嚼、開口運動と
後頭下筋群の上部頸椎回旋及び前後屈運動とが
同調して動き
感覚神経の相互性、相関性も密にしていることから
頸椎を痛めない安全を考慮して
頸部をポキッと鳴らす様なアジャストを避け
顎関節の咀嚼ー開口運動を上手く使って
後頭下筋群を和まし
頸椎の可動性を改善させる
施術アプローチを組み立てています
⇒下の四つ下部頸椎(Cー4,Cー5,Cー6,Cー7)は
孔から腕神経叢が出て、
首を廻したり、肩甲骨を挙げたり、
腕や肘、手を動かしたりします。
この腕神経叢は二つのトンネルを抜けて
首から肩、腕へ通って行きます
トンネルの一つは
①首のつけ根の胸郭深部筋(斜角筋と肩甲挙筋)です
もう一つのトンネルは
②腕のつけ根の胸郭深部筋(小胸筋、肩甲下筋、前鋸筋)です
この二つの①②胸郭深部筋の過緊張等が
腕神経の通り路を絞扼(こうやく)し
手腕の痺れ、五十肩、肩甲骨内縁や腋窩に
放散する痛みを発します
然るに
腕神経叢起因の施術アプローチは
①首のつけ根の胸郭深部筋(斜角筋と肩甲挙筋)と
②腕のつけ根の胸郭深部筋(小胸筋、肩甲下筋、前鋸筋)の
トンネル路を広くし
腕神経が通りやすくすること
と考え施術法を組み立てます
首・肩・腕の問題-施術設計図-
≪腕神経叢に問題を起す2つの不具合≫
根本の原因は呼吸筋群の弱り⇒呼吸が浅くなる!
『はじめは‘肩が凝った’ぐらいだったのに…
最近手が痺れる…、指に力が入りにくくなった…
病院でレントゲン・MRI検査を受けた結果
『「頚椎に問題がある」と言われた。』
と訴える患者さんがこられました。
この訴えを聞いて
WAJUは背骨(頸椎)だけの問題ではない
靭帯や筋肉が固くなって神経の通りや
血液の流れを圧迫するような『不具合』が
起こっているかもしれないと考えます。
その『不具合』とは
腕神経叢という電気コードのような束が
①首のつけ根の筋肉(斜角筋&肩甲挙筋)の隙間
を通り抜け
②腕のつけ根の筋肉(小胸筋・肩甲下筋・前鋸筋)の隙間
を通って指先までのびています
更に
神経だけではなく血管,リンパ管も同じ路を走っています
その隙間が狭くなってしまったら・・・
たとえば、
電気コードで表現すれば
ビニールが剥がれて電気ショートを起しやすい様な状態!
水道のホースで言えば
ホースが圧せられて水が流れにくくなる様な状態!
に置かれるわけです
その状態が軽度の場合は
‘肩が凝った’でしょうし
重度になると
腕全体が痛んだり,しびれたりします
⇒正座を長くすると足がしびれることと同じ理屈で症状が発生するのです
この状態を医学的にいうと『腕神経絞扼状態』です
代表的な『腕神経の絞扼的不具合』を2つあげます
①首の付け根の不具合=斜角筋症候群と
②腕の付け根の不具合=胸郭出口症候群
①と②の不具合が姿勢に反映するとどうなるか
①斜角筋症候の場合⇒肩ラインが上がる
「肩ライン」の水平ラインが斜めに上がります
斜角筋の過緊張,凝りで
発生する「肩ライン=姿勢」の歪みは
首のつけ根の盛り上がりです
斜角筋の凝り,過緊張が慢性化すると
第1,第2肋骨を持ち上げる不具合が起こります。
肩甲挙筋の過緊張,凝りで
発生する「肩ライン=姿勢」の歪みは
「肩ライン」が斜めに上がります
肩甲挙筋の凝り,過緊張が慢性化すると、
肩甲骨内角が上がり、肩が盛り上がったように見えます
②胸郭出口症候の場合⇒肩ラインの下がり&肩の前巻き
「肩ライン」の水平ラインが前に巻き落ちる様に下がります
トラブルメーカー筋⇒小胸筋・肩甲下筋・前鋸筋
小胸筋
不具合で発生する「肩ライン=姿勢」の歪みは
肩甲骨を烏口突起から前下に引っ張り込みます
肩甲下筋
不具合で発生する「肩ライン=姿勢」の歪みは
腕(上腕骨)を内旋させてしまいます
前鋸筋
不具合で発生する「肩ライン=姿勢」の歪みは
肩甲骨-体部を前に引っ張り込み猫背状態をつくります
腕神経叢の①②不具合を施術設計するグローバルな観点
いま、
①(斜角筋・肩甲挙筋)と
②(小胸筋・肩甲下筋・前鋸筋)が
首や肩や腕に不具合問題を起す
トラブルメーカー筋を観てきましたが
これら①②は全て胸郭の周りを取り巻く
横隔膜を中心とした『呼吸筋』でもあるのです
これら①②は、
首や腕を動かし支える仕事をし
そして
肺を動かし呼吸をもさせています!
もし,これら①②が、
凝り固まり不具合を起せば、
首肩腕に発症する痛みや痺れだけでなく、
呼吸が浅くなり=酸素の取り込みが少なくなり
元気が落ちる様な問題も発生します。
また、
その逆の症状,状態も起こりえます。
呼吸が浅くなれば、
肩や腕や首が動きにくくなったり、
痛んだり,痺れたりもする、ということです!
⇒(コロナ禍でのマスクの着用は口呼吸になり-呼吸を浅くさせるでしょう…)
しかし、
呼吸筋は、お腹にも背中にも存在します。
ということは、
体幹全体を捉えたうえで俯瞰的な観点に立ち
腕神経絞扼の不具合状態に対応する
全身的な施術設計をしないと
首・肩・腕の問題は解決しません!
では、ここで
体幹全体の深層部にある呼吸筋を観察してみましょう
呼吸筋って?
肺は自体では動けない臓器です
胸まわり、腹まわりの筋肉群が肋骨を動かして
風船のように肺を膨らませ空気を取り込んでいます
この筋肉群を「呼吸筋」といいます
解剖図で観てみましょう
吸気時に働く呼吸筋 前面
首と胸まわりの前面に
首まわり⇒ 1.胸鎖乳突筋 2.斜角筋
胸まわり⇒3.小胸筋 4.前鋸筋 5.横隔膜 6.外肋間筋
が観察できます
働きは
吸気時に胸郭(肋骨)を膨らませ肺に空気を取り込みます
吸気時に働く呼吸筋 側面
胸郭の側面を観ると
首まわり⇒1胸鎖乳突筋、2斜角筋
脇、背中まわり⇒3菱形筋、4小胸筋、5外肋間筋、6前鋸筋
が観察できます
働きは
吸気時に胸郭(肋骨)を膨らませ肺に空気を取り込みます
吸気に働く呼吸筋 後面
胸郭の後面は
首まわり⇒1胸鎖乳突筋
背中まわり⇒2菱形筋、3前鋸筋、4外肋間筋、5横隔膜
を観察することができます
働きは
吸気時に胸郭(肋骨)を膨らませ肺に空気を取り込みます
呼気時に働く呼吸筋 前面
胸まわりに⇒1.内肋間筋(外肋間筋の内側にある)
腹部まわり⇒2.腹直筋、3.腹斜筋
働きは
呼気時にお腹を絞り、肋骨を窄ませ肺から空気を排出させます
呼気時に働く呼吸筋 後面
1.内肋間筋
2.下後鋸筋
3.腹横筋
働きは
呼気時にお腹を絞り、肋骨を窄ませ肺から空気を排出させます
呼吸筋って?まとめ
これら上図を観て頂いて分るように
呼吸筋群は横隔膜を中心とした
背骨全体を覆う”体幹深層筋”です
その働きは、
呼吸をさせることだけでなく
頭蓋,胸郭(肋骨),脊柱を支える
支持筋群であり
頸部や胸部、腰部の捻転等々、
肩甲骨の挙上,下制等々の動き
をも担う
マルチ筋群なのです。
呼吸筋群で発症するトラブル,症状
1)手、腕の痺れ,痛み
2)肩甲部内縁痛を伴う頸椎可動不全
3)四十肩・五十肩
4)猫背や肩の下がり
5)肋間神経痛
6)腰背部痛
7)腰背部からの傾き,捻れる⇒姿勢の歪み
などなど、多岐にわたります。
ここまでの解説を見て頂いて
ご理解頂けたと思いますが、
首が痛む、手腕が痺れる、肩が挙がらない等々の問題は、
①首の付け根や②腕の付け根のトラブルメーカー筋を
アジャスト(調整)しても
治り切らないことをWAJUは臨床で経験しています
呼吸筋群全体の筋バランスを整えてこそ
改善、解放に向かわせるルートが開ける
とWAJUは考えています。
では、
その施術法を観てみましょう
首・肩・腕の問題-施術-アプローチ
当院ー和柔整体の施術法は
オリジナル施術法「和柔ぷるタッチ反射術」
という姿勢矯正術です
ここでは「肩ライン」を水平に揃える、
という観点にたち
問題を改善させにいきます。
*Pull-Touch Reflection Technic*
手腕からのアプローチ
⇒腕を使って反射を利用した腕神経を促通させる術
腕を持ち上げ緩やかに引っぱる‘何気ない行為’
その奥に綿密なイメージと計算が!
手腕を”ぷるタッチ”(軽く引き圧を加える)することで、
腕神経に沿って肩の深部(小胸筋・肩甲下筋・前鋸筋)から
首の深部(斜角筋・肩甲挙筋)に反射反応を伝播します
脚からのアプローチ
⇒脚を引き大腰筋から横隔膜をアジャストする術
脚を持ち上げ何気に引く行為
その奥に綿密なイメージと計算が!
大腰筋から横隔膜をPull-touch
⇒肋骨、肩甲骨をAdjust(調整)
斜角筋まで引き圧を通し
気血を流すイメージがあります
脚からの”ぷるタッチ”で、
安易な施術を拒む、
内蔵裏にある大腰筋、と
胸腔と腹腔の境界にある横隔膜を
アジャスト(調整)します。
この術で
肩甲挙筋から斜角筋まで
運動反射反応を伝播させることができます
これぞ、
呼吸筋全体のアジャスト術
⇒THE(ザ)Pull-Touch Reflection Technicです!^^
首・肩・腕の問題-総括-
WAJUはその昔、
患者さんが訴える首や肩や腕の痛み、の
その部位だけを
一生懸命施術していました。
急性的な痛み問題はそれでもよかったのですが…
慢性的な状態の疾患は、
その施術だけでは
上手く治り切りませんでした。
何故なんだろう…?何で治り切らんのん…(?_?)
それは、、その答えは、、、
「木を見て森を見ず」だったのです!
疾患、疾病の現象,症状にとらわれて、
その本質、実態を
見通せていなかったのです。
このことは、どの疾患,疾病にもあてはまりますが、
首・肩・腕の問題に関しては
①②が『呼吸筋』という体幹全体の筋肉群の一部であるので、
他の部位より、より大きく関わっていたのです。
そこに気づき
『体幹全体の呼吸筋をアジャストし痛み部位を施術する』と
施術成果が昔よりも大きく上がりました。
WAJUは今、
『呼吸筋群』を整えることは、
首・肩・腕の問題を治すことだけではなく、
森が命の雨水や雪解け水や腐葉土を蓄えて
木々や生き物たちを養うように、
体幹深部に気・血・水が淀みなく流れ、
あらゆる”痛み不具合問題”に
エネルギーを注ぎ養う原動力であると、
思い、信じ、
全身の”痛み,不具合問題”の施術に応用しています。
しっかり
『その人を観て疾病を診ます!』(^_^)v