【症状・問題別】肩懲り・猫背《解説1》

解説:腕神経絞扼(こうやく)のメカニズム

首から指先へと伸びる「腕神経叢(わんしんけいそう)」は、いわば電気コードの束です。その傍らには、水道や下水道にあたる血管・リンパ管も並走しています。

これらの通り道が、筋肉の硬化によって狭くなることで、痛みや痺れが発生します。

① 首の付け根の不具合:斜角筋症候群

  • トラブルメーカー: 斜角筋・肩甲挙筋
  • 姿勢への影響: 肩のラインが異常に盛り上がり、首が短く見える。
  • 状態: 筋肉が慢性的に縮むことで第1・第2肋骨を引き上げ、神経の隙間を閉ざしてしまいます。

② 腕の付け根の不具合:胸郭出口症候群

  • トラブルメーカー: 小胸筋・肩甲下筋・前鋸筋
  • 姿勢への影響: 肩が前方に巻き込まれ(巻き肩)、全体的に肩ラインが落ちる。
  • 状態: 肩甲骨を前下に強く引き込み、「猫背」の構造的な要因を作ります。

■ グローバルな視点:呼吸筋こそがマルチプレイヤー

重要なのは、これら①②の筋肉はすべて**「呼吸筋」**でもあるという事実です。

肺は自ら膨らむことができません。横隔膜を中心に、首から腹部までの「呼吸筋群」が肋骨を動かして呼吸を成立させています。

  • 負の連鎖: 呼吸が浅くなる(酸素不足) ➡ 呼吸筋が酷使され硬化する ➡ 神経・血管を圧迫 ➡ 肩こり・痺れ・猫背が悪化 ➡ さらに呼吸が浅くなる。

現代のマスク生活やデスクワークによる「口呼吸・浅い呼吸」は、まさにこの負の連鎖の引き金となっています。

■ 体幹深層部:呼吸筋の全貌

呼吸筋は、横隔膜を核とした「体幹全体のインナーマッスル」です。

役割主な筋肉(前面・側面・後面)
吸気(吸う)胸鎖乳突筋、斜角筋小胸筋、前鋸筋、横隔膜外肋間筋、菱形筋
呼気(吐く)内肋間筋、腹直筋、腹斜筋、腹横筋下後鋸筋

上図-吸気の筋2.斜角筋 3.小胸筋 4.前鋸筋 5.横隔膜 6.外肋間筋⇒重要筋  

上図-呼吸の筋1.内肋間筋2.下前鋸筋3.腹横筋⇒重要筋

これらの筋肉は、呼吸をさせるだけでなく、**「脊柱を支える」「首や肩を動かす」**というマルチな仕事をこなしています。

■ 結論:WAJUの施術設計

首が痛いからといって首だけを、手が痺れるからといって腕だけを調整しても、改善しきらない理由がここにあります。「木を見て森を見ず」我々施術師が陥ってしまいがちな落とし穴・・・

WAJUの臨床経験から導き出された改善ルート。それは、

**「横隔膜を中心とした呼吸筋群全体の筋バランスを整え、体幹インフラを再起動させること」**です。

部分的な「アジャスト」を超え、俯瞰的な観点から体幹全体の「呼吸の質」を変える。それこそが、肩こり、五十肩、猫背、そして手足の痺れからあなたを解放する唯一の道です。

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