「痛みは警告サイン」その3
”痛み”はふつう
痛いから悪いのではなく
悪い所があるから痛みが出ます
その警告信号の痛みは
各組織や臓器から脳が制御し
心身の体調状態や疲労度合いによって
発する強さや量を変えます
痛み閾値とは
痛みを感じる最小限の刺激の強さのことです
簡単に言えば
痛みを感じるハードルのようなものです
(下図では防波堤で例えました)
痛みの閾値が下がると痛みを感じやすくなり
閾値が上がると痛みを感じにくくなります
この閾値は人によって異なり
男性よりも女性の方が低い傾向があります
また、年齢とともに低下する傾向にもあります
閾値が低い人は
ちょっとした刺激でも痛みを感じやすく
閾値が高い人は
強い刺激でも痛みを感じにくいという特徴があります
痛みの閾値に影響するもの
痛みの閾値はその時々によって変化します
閾値を下げる(痛みに敏感になる)
- 疲労
- ストレス
- 不安
- 睡眠不足
- カフェインの摂取
- 喫煙
- アルコールの摂取
- 痛み止めを服用している場合
閾値を上げる(痛みに鈍感になる)
- リラックスしている
- 集中している
- 楽しいことをしている
- エンドルフィンなどの快楽ホルモンが分泌されているとき
など
頭痛薬の継続服用で「薬物乱用頭痛」が・・・
長期にわたって”痛み止め”を服用し続けると
**「薬剤乱用頭痛」**
と呼ばれる頭痛が起こることがあります
薬剤乱用頭痛とは
頭痛薬の常用によって引き起こされる頭痛で
頭痛がひどくなる
頭痛の頻度が増える
薬が効きにくくなるといった症状が現れます
これは脳内の
痛みに対する感受性が変化
することで起こると考えられています
薬剤乱用頭痛を防ぐために
- 用法用量を守って服用する
- ひと月の間に10日以上服用しない
- 頭痛がひどい場合は、医療機関を受診する
痛み止めの副作用
痛み止めを服用していると
以下のような理由で
痛みに敏感になることがあると考えられています
鎮痛効果が切れたとき:
痛み止めが切れると元の痛みが感じられるようになります
プラセボ効果:
痛み止めを服用することで痛みが和らぐという思い込みが逆に痛みに敏感になることがあります
他の副作用:
痛み止めによっては胃腸障害・肝臓障害・腎臓障害などの副作用が起こることがあります
これらの反応は
体表や筋肉に痛みとして感じられることがあります
カフェイン、アルコールも痛み閾値が下がる
カフェインやアルコールの摂取は
薬物的観点でいうと
一時的に 痛みに敏感になる可能性があります
カフェイン
覚醒作用や鎮痛作用があることで知られています
しかし過剰摂取すると
交感神経を刺激し、
血管を収縮させ、
筋肉を緊張させることで
頭痛や筋肉痛などの痛みを悪化させる可能性があります
また、利尿作用もあり
脱水症状を引き起こす可能性があります
脱水症状も頭痛、眩暈、ふらつきの原因となります
アルコール
鎮痛作用やリラックス効果があることで知られています
しかし過剰摂取すると
脱水症状や低血糖を引き起こす可能性があります
脱水症状や低血糖は
頭痛やめまいなどの症状を引き起こすことがあります
また、肝臓に負担をかけ
肝機能が低下すると
痛みに対する感受性が高くなる可能性があります
薬物乱用のまとめ
痛み止めを服用しても適切な方法で使用すれば
痛みに敏感になる心配はありません
しかし、用法用量を守らずに
長期にわたって服用し続けると
薬剤乱用頭痛などの問題が起こる可能性があります
カフェインやアルコールは
適量であれば
痛みに対して良い影響を与える可能性があります
しかし、過剰摂取すると
逆に痛みを悪化させる可能性があります
頭痛(他の炎症痛も)がある場合は
カフェインやアルコールの摂取を控えることが大切です
そのほか睡眠不足やストレスなども痛みに敏感になる原因となります
まとめ
痛みの閾値は個人差が大きいものです
自分の痛みの閾値を知っておくことで
痛みに対する対処法を考えることができます
閾値が低い人は
ストレスを溜めない
十分な睡眠をとる
規則正しい生活を送る
といったことに気を配ることで
痛みに対してより強く対抗することができます
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