『正座できない膝』は⇒『走れなくなった膝』の末路
ふくらはぎの深層筋群
(ヒラメ筋・前後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋)
の硬直や痩せが原因で足アーチが’ヘタリ’
ショックアブソーバーが機能不良を起した状態が
『走れなくなった膝』と各論4で指摘しました。
その延長線上に
正座ができない膝が待っています。
足首が硬くなり
その状態が長く続くと
膝関節にあるトラブルメーカー筋と靱帯が
硬くなり
正座ができない膝になります。
このトラブルメーカー筋と靱帯は
皆さまがご存じない(と思う^^)
とてもマイナーな筋肉と,靱帯が
大きく影響を及ぼしています。
観てみましょう。
膝裏に小さく君臨する『膝窩筋』
おそらく皆さまは膝関節の裏側に
『膝窩筋』という筋肉が存在することを
ご存じないのではないでしょうか。
解剖学書にはランニングやダッシュにおいて
ハムストリングを補助し、後十字靱帯を補助する機能
と書かれているだけです。
ところがこの膝裏に小さく君臨する筋肉が
不具合を起すと
膝表に大きく鎮座する大腿四頭筋の
内側=『内側広筋』に
悪影響を引き起こすことを
臨床的に経験しています。
この両筋肉(内側広筋と膝窩筋)の
拮抗及び相互作用的機能の不具合が長引くと
同筋は痩せて硬くなりやすく、
その靱帯(斜膝窩靱帯&内側膝蓋支帯)にも
硬直状態を作ってしまいます。
この靱帯の不具合が
正座ができなくなる根本である
とワジュウは考えています。
まず、膝裏の膝窩筋から観てみましょう
膝窩筋と斜膝窩靱帯
下図は左脚の膝窩筋です
下図(a.)膝窩筋です
(b.)斜膝窩靱帯です
観て頂いて解るように
膝窩筋の下を沿うように
筋肉と同じ位の大きさで
斜膝窩靱帯が付着しています。
これが硬直すると正座はできなくなります。
次は、膝表を観てみましょう
痩せやすい内側広筋
大腿四頭筋の内側の単関節筋が内側広筋です。
その外側=外側広筋は筋トレ等の運動で
筋量及び筋力がつきやすく、
内側広筋は意識して筋トレを行わないと
筋量が増え難い性質を持っています。
(⇒増え難い原因は後述「まとめ」で)
中年以降でよく運動をしておられる方でも
大腿四頭筋の内側が
細くなっている方をよく見かけます。
内側広筋が痩せると
膝がシッカリ伸ばせない状態に陥ります。
内側広筋と内側膝蓋支帯
下図(C.)は内側広筋(大腿四頭筋の内側)
(d.)内側膝蓋支帯です
内側広筋腱の続きが内側膝蓋支帯です。
大腿四頭筋には四つの筋肉腱が
真ん中にまとまって膝蓋腱を作りますが
これには”膝の皿”である「膝蓋骨」があり
腱の動きを円滑にするテコの役目をしています
しかし内側膝蓋支帯は大きな靱帯で
膝の屈伸に大きく関わるのですが
膝の皿を通らずに働かされています。
この理由で内側膝蓋支帯の不具合は
膝関節の屈伸に大きく影響します。
当然、硬直状態が起こると正座はできなくなります。
まとめ
膝窩筋と内側広筋は相対し
深い因果関係にある筋肉です。
そして下腿深層筋群(ヒラメ筋等々)
とも深い因果関係を持ちます。
ということは下腿深層筋群の不具合で
足関節の可動域が低下すると
膝窩筋も内側広筋も
筋力低下や痩せ状態に陥り、
その靱帯である=斜膝窩靱帯、内側膝蓋支帯は
硬直状態に陥ります。
これが正座ができなくなる根本原因です。
治すポイントは足関節を柔らかくする!
ことから始めないと成果は出てきません。
因みに
足首が硬いまま”ごまかして”正座すると
膝関節を捻っていることになりますよ!
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