ひざ関節痛ー各論5ー『正座できない膝』

『正座できない膝』は⇒『走れなくなった膝』の末路

ふくらはぎの深層筋群

(ヒラメ筋・前後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋)

の硬直や痩せが原因で足アーチが’ヘタリ’

ショックアブソーバーが機能不良を起した状態が

『走れなくなった膝』と各論4で指摘しました。

その延長線上に

正座ができない膝が待っています。

足首が硬くなり

その状態が長く続くと

膝関節にあるトラブルメーカー筋と靱帯が

硬くなり

正座ができない膝になります。

このトラブルメーカー筋と靱帯は

皆さまがご存じない(と思う^^)

とてもマイナーな筋肉と,靱帯が

大きく影響を及ぼしています。

観てみましょう。

膝裏に小さく君臨する『膝窩筋』

おそらく皆さまは膝関節の裏側

膝窩筋という筋肉が存在することを

ご存じないのではないでしょうか。

解剖学書にはランニングやダッシュにおいて

ハムストリングを補助し、後十字靱帯を補助する機能

と書かれているだけです。 

ところがこの膝裏に小さく君臨する筋肉

不具合を起すと

膝表に大きく鎮座する大腿四頭筋

内側=内側広筋

悪影響を引き起こすことを

臨床的に経験しています。

この両筋肉(内側広筋膝窩筋)の

拮抗及び相互作用的機能の不具合が長引く

同筋は痩せて硬くなりやすく

その靱帯(斜膝窩靱帯内側膝蓋支帯にも

硬直状態を作ってしまいます。

この靱帯の不具合が

正座ができなくなる根本である

とワジュウは考えています。

まず、膝裏の膝窩筋から観てみましょう

膝窩筋と斜膝窩靱帯

下図は左脚の膝窩筋です

下図(a.)膝窩筋です

  (b.)斜膝窩靱帯です

観て頂いて解るように

膝窩筋の下を沿うように

筋肉と同じ位の大きさで

斜膝窩靱帯が付着しています。

これが硬直すると正座はできなくなります。

次は、膝表を観てみましょう

痩せやすい内側広筋

大腿四頭筋の内側の単関節筋が内側広筋です。

その外側=外側広筋は筋トレ等の運動で

筋量及び筋力がつきやすく、

内側広筋は意識して筋トレを行わないと

筋量が増え難い性質を持っています。

(⇒増え難い原因は後述「まとめ」で)

中年以降でよく運動をしておられる方でも

大腿四頭筋の内側が

細くなっている方をよく見かけます。

内側広筋が痩せると

膝がシッカリ伸ばせない状態に陥ります。

内側広筋と内側膝蓋支帯

下図(C.)は内側広筋(大腿四頭筋の内側)

(d.)内側膝蓋支帯です

内側広筋腱の続きが内側膝蓋支帯です。

大腿四頭筋には四つの筋肉腱

真ん中にまとまって膝蓋腱を作りますが

これには”膝の皿”である「膝蓋骨」があり

腱の動きを円滑にするテコの役目をしています

しかし内側膝蓋支帯は大きな靱帯で

膝の屈伸に大きく関わるのですが

膝の皿を通らずに働かされています。

この理由で内側膝蓋支帯の不具合は

膝関節の屈伸に大きく影響します。

当然、硬直状態が起こると正座はできなくなります。

まとめ

膝窩筋内側広筋は相対し

深い因果関係にある筋肉です。

そして下腿深層筋群(ヒラメ筋等々)

とも深い因果関係を持ちます。

ということは下腿深層筋群の不具合

足関節の可動域が低下すると

膝窩筋も内側広筋

筋力低下や痩せ状態に陥り

その靱帯である=斜膝窩靱帯内側膝蓋支帯

硬直状態に陥ります。

これが正座ができなくなる根本原因です。

治すポイントは足関節を柔らかくする!

ことから始めないと成果は出てきません。

因みに

足首が硬いまま”ごまかして”正座すると

膝関節を捻っていることになりますよ!

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