ひざ関節痛-各論4『走れなくなった膝』

「外回りする膝」「下りで痛む膝」の末路

各論2,3『外回りする膝』『下りで痛む膝』を

痛みだけを除いた状態で放置すると

関節のアンバランスはドンドン広がり

ふくらはぎ足裏の筋肉アンバランスが発生

膝関節の歪みを大きくします

その状態になると

「1地面を蹴る力」

「2地面からの衝撃を吸収する力」

が落ち

結果 ”走れない”状態に陥ります

原因は”ふくらはぎ”の筋肉群だ!

ここでも、やはり

筋肉の過緊張や痩せがトラブルの原因

になるのですが

「1地面を蹴る力」

トラブルメーカー筋は

ヒラメ筋

「2地面からの衝撃を吸収する力」

トラブルメーカ筋は

前・後,脛骨筋(ぜん・ご,けいこつきん)

長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)

長趾屈筋(ちょうしくっきん)

というマイナーな筋肉群です

しかし

とてもメジャーな使命を課せられた筋肉達なのです

その使命=機能・役割のメカニズムを観察してみましょう

1地面を蹴る『アキレス腱のヒラメ筋』の弱り

ギリシャ神話『不死身の英雄アキレス』は

下腿部(アキレス腱)を矢で打ち抜かれて

動けなくなり・・死んだ・・

というのは有名な話です

アキレス腱を構成している筋は

腓腹筋とヒラメ筋で下腿三頭筋と称されています

この下腿三頭筋がランニングや跳躍などの

ダイナミックな激しい動きに使われます

腓腹筋は

”二関節筋”で運動的,動作的要素が濃く

筋腹が太く大きい特徴があります

ヒラメ筋は

”単関節筋”で立位に於いて上体が倒れないように活動する

という支持的要素が色濃く

筋腹部よりアキレス腱部が大きい特徴を持っています

ヒラメ筋がトラブルマーカーになる所以 その1

下図、ヒラメ筋と腓腹筋の形状の差を観察してください

ヒラメ筋

疲れにくい特質を持つ筋肉ですが

腓腹筋に比べると

赤身である筋腹絶対量少ない

という理由から

やはり負荷疲労蓄積率高いのは

必然のように思えます

ここに

ヒラメ筋トラブルメーカー

に成る要因の1つがあり

アキレス腱固くなって

走る力蹴る力落ちる一因があります

ヒラメ筋がトラブルマーカーになる所以 その2

足関節の可動制限を起す『ヒラメ筋』

下図の○印は

ヒラメ筋起始部(筋肉が骨に付着している部分)

『腓骨頭』です

この腓骨頭周辺に

「下りで痛む膝」のトラブルメーカー筋である

大腿二頭筋ー短頭ー&ー長頭ーも付着しています

腓骨頭

これらの筋の扇の要(かなめ)であり

なお且つ

重力軸中心でもあるのです

ということから

この腓骨頭周辺(膝関節外側部)は

ストレスが集約する所でもあります

そして

ヒラメ筋腓骨頭に起始部を持つ筋肉で

上半身からの重力負荷が多く掛かる位置にあります

また

「下りで痛む膝の不具合」で起す

過剰な重力負荷が

上脛腓関節(脛骨と腓骨間の関節)まで及び

ヒラメ筋筋肉機能まで低下させる

という問題が発生し

足首やアキレス腱の固着が起こり

走れなくなってしまう不具合が起こるのです

これが2つ目の要因です

2.地面からの衝撃を吸収する『足アーチ』の不具合

足は全身を支える土台です

我々の足裏の構造は

3つ足アーチ

地面からの

衝撃吸収する機構

が構築されています

3つの足アーチ

足底・足裏には

外側アーチ前アーチ・内側アーチ

の3つアーチが有り

前アーチ外側アーチ

小趾(第五趾)から足趾全体で

衝撃を受け止め

内側アーチに力を流して

衝撃力を吸収する様になっています

内側アーチ

「土踏まず」と呼ばれ

ショック吸収の主役になります

このアーチ群は

走ったり、ジャンプするのに

無くてはならないモノで

ここが”ヘタル”と

俊敏性、機動力が落ちます

そして

あまり知られていない

もう一つの機能・機構があります

ウィンドラスの巻き上げ機構

端的に言えば推進力を生む『バネ機構』です

下図をご覧ください

歩行or走行時

足底が地面について体重がアーチに乗ると

アーチが沈み込み

踵が浮き始めると

アーチが巻き上げるように元の高さに戻ります

この反動で

蹴り出しの力が生まれ

推進力が増幅する仕組み

これを『ウィンドラスの巻き上げ機構』といいます

このように

足は骨-筋の構造

及び、その機能に於いても

複雑になっています

この主力筋群が

前・後,脛骨筋(ぜん・ご,けいこつきん)

長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)

長趾屈筋(ちょうしくっきん)

です

観てみましょう

足アーチの主力筋
”ふくらはぎ”の後面は三層になっています

浅い第一層に⇒腓腹筋

中間の第二層に⇒ヒラメ筋

そして

深い第三層に⇒後脛骨筋長母趾屈筋長趾屈筋

があります

”ふくらはぎ”の前面は

第一層しかなく⇒前脛骨筋

前脛骨筋

歩行や走行に於いて

つま先を持ち上げる主力筋です

前脛骨筋の相対にある

後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋

「土踏まず」をつくり

内側アーチの主力構成筋群となります

足指の長母趾屈筋・長趾屈筋は「前アーチ」を構成する

後脛骨筋にかぶさる様に

長母趾屈筋・長趾屈筋が付着します

いずれも

内踝後ろに腱が走行し

「土踏まず」を構成すると共に

腱が趾(足の指)の骨に沿うように走行し

前アーチをも構成しています

この第三層ー深層筋群は

すべて’支えを主なる仕事’とする

単関節筋です

そして

中層のヒラメ筋単関節筋であり

共に、立位において

上体が前に倒れないように活動する

強力な支持筋です

”ふくらはぎ”第二層、第三層の筋肉群

後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋ヒラメ筋

筋繊維の走行や腱の起始,付着が類似し

すべて同じ単関節筋であり

支持機能的特性も類似した

深い因果関係のある筋肉群です

そして

ヒラメ筋が兄貴分であることは間違いなく

そのヒラメ筋のトラブルは

確実に後脛骨筋・長母趾屈筋・長趾屈筋にも及ぶ

ことは必然です

まとめ

『O脚』や『外回りする膝』や『下りで痛む膝』

の不具合が原因で

ふくらはぎ”主力支持筋である

ヒラメ筋に

筋緊張や筋疲労が重なり

その挙げ句くに筋痩せが起こると

前後脛骨筋と長母趾屈筋・長趾屈筋にも

不具合が発生します

それは

足アーチのショックアブソーバー機能が

低下することに繋がり

走れない、ジャンプもできない”脚”

に成り下がってしまいます

その痛みは

膝の内側に多く発生します

このような状態の「膝関節症」を

膝関節周辺の靱帯,半月板,筋肉だけしかアプローチしない

施術や治療は

適性を欠きます

適正な施術は

体幹の重力バランスを考えた

全身調整が必要ですが

少なくても

ふくらはぎ深層部の筋固着を柔らげ,和ませて

足首を動きやすくすることは必須です

それと走れる様になるためには

自身での筋肉トレをしなければ元に戻りません

それも

抗重力的な

体幹の重心軸から股関節→膝関節→足関節まで

真っ直ぐに通す負荷を効かせた

立位での筋トレが必要です

和柔整体では

全身の深層筋を改善し

膝関節の筋バランスを元に戻す施術ができます

そして

特殊筋トレの運動指導メニューも用意しております 

ご来院をお持ちしております

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